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血圧波形読みとり

投稿日:10月 29, 2020 更新日:

血圧は家庭から臨床現場まで幅広く用いられています。

集中治療領域では、収縮期血圧90mmHg以下で心原性ショックの診断に使用されたり、敗血症では平均血圧65mmHg以上で昇圧剤管理するなど、血圧の値は診断や病態把握に利用されます。

血圧の測定にはカフを巻いて非侵襲で測定できる非観血式血圧(NIBP)と穿刺して動脈血圧を直接測定する観血式血圧があります。



非観血式血圧



観血式血圧

観血式血圧は血圧の値だけでなく「波形」から情報を得ることもできます。

今回はそんな「動脈血圧波形」について解説していきます。





動脈圧波形

血圧は心臓の収縮時に高値となり、心臓拡張時で低値になります。

文字ばかりで憂鬱になりますが、順を追って説明します。

1心拍中で

一番高い点を収縮期血圧(sBP)
一番低い点を拡張期血圧(dBP)
収縮期血圧と拡張期血圧の差を脈圧(脈圧=sBP-dBP)
平均血圧(mBP)=拡張期血圧+(脈圧/3)

といいます

BP : blood pressure
sBP : systolic blood pressure
dBP : diastolic blood pressure
mBP : mean blood pressure


収縮期血圧波形が大きいほど(面積が広いほど)心拍出量が高いです。これを数値で解析したのがビジレオモニターになります。


血圧波形の立ち上がりが高いほど心収縮力が高いです。





血圧上昇・減少


動脈硬化や大動脈弁閉鎖不全による病態

昇圧剤、輸液補助循環による治療行為

などで収縮期・拡張期血圧上昇、脈圧拡大が見られます。



心不全や溢水、循環血液量減少、大動脈弁狭窄による病態

降圧薬、利尿薬、透析の除水による治療行為

などで収縮期・拡張期血圧減少、脈圧縮小が見られます。



血管内脱水の血圧波形

循環血液量が減少すると血圧波形が呼吸に応じてぐわんぐわんと揺らぎます。これを呼吸性変動といい、血管内脱水を疑います。呼吸性変動を数値化したものがSVVになります。

さらに悪化すると心拍数も上昇します。





大動脈弁による血圧波形


動脈血圧波形は大動脈弁の状態で特殊な波形が見られます。



大動脈弁狭窄

大動脈弁が狭窄してるので収縮が阻害され、うまく拍出されず立ち上がりに時間がかかります。収縮期血圧が下がり、収縮の時間が伸びます。



大動脈弁閉鎖不全

閉鎖時に大動脈弁が逆流(AR)するため、大動脈弁閉鎖時の圧上昇がなく、圧が早く損失します。拡張期では左心房からの流入と大動脈弁逆流によって左心室が充満するため、1心拍の心拍出量は多くなります。その結果、収縮期血圧が上がります。





部位による波形の違い


上肢より下肢の方が血圧は高いです。

元の波と反射波が重なり、また、末梢の方が血管は硬いため、下肢で血圧が高くなります。





異常な血圧波形

患者の状態が普通であっても血圧が異様に低かったり、波形の形がおかしいことがあります。これは測定回路のトラブルであり、対処すれば直ります。



材質による異常波形

材質そのものが柔らかかったり、長かったりすると回路に振動が発生し、波形が変化することがあります。

急速フラッシュテスト(矩形波テスト)で振動数が1~2回くらいがちょうどいい波形といわれています。

測定ラインは「太い」「短い」「硬い」ものを使用し、必要に応じてダンピングデバイスを使用すると改善します。

「なまり」波形は穿刺針が血管壁に当たっていることが多いので、針の位置を調整することで改善します。

回路内に気泡があっても波形がなまることがあるので、回路内の気泡は除去します。



位置による異常波形

血圧波形は測定器具の黒い部分(トランスデューサ)で測定しています。

この黒い部分が

心臓より低いと血圧値が高い
心臓より高いと血圧値が低い

です。

正しい値を測定するにはこの黒い部分を心臓と同じ高さに合わせる必要があります。

校正を忘れていると正しい値が表示されないので、立ち上げ時や移動時は必ず0点校正を行います。

<0点校正>
黒い部分を心臓の高さに合わせる
赤矢印のように三方活栓倒し、黒い部分を大気にさらすことで、大気開放となる
モニタ画面で0点校正ボタンを押す
三方活栓を元に戻し、動脈圧を測定する

電源電圧の変動で0点が変動することがあります(ドリフト現象)。測定前に早めに電源を入れておくとよいです。ドリフトが発生しても0点校正を行えば正しい値を測定できます。





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参考にした資料

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[参考書]ECCE(Edwards,2015)
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