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ETCO2とは

投稿日:10月 25, 2020 更新日:

ETCO2(end tidal CO2)は呼気終末二酸化炭素分圧という意味です。

基本は「ETCO2=PaCO2」で動脈血中と呼気の二酸化炭素分圧は同じくらいになります。

正常だとETCO2はPaCO2より少し低く、基準値は35mmHgくらいです。

ETCO2の波形(カプノグラム)についても解説していきます。





呼吸不全とETCO2

呼吸不全は肺胞低換気・拡散障害・換気血流比不均衡(シャント/死腔)があり、ETCO2への影響を表すと下のようになります。



肺胞低換気

肺胞低換気で換気量が減ると二酸化炭素が排出されないため、血中のCO2が増え、呼気中のCO2も増えます。

肺胞低換気では呼気と血中の二酸化炭素は増え(ETCO2↑PaCO2↑)、呼気と血中で差は生じません。(ETCO2=PaCO2



拡散障害

二酸化炭素の拡散能は酸素の20倍もあります。なので、拡散障害では二酸化炭素は呼気中にしっかり排出されETCO2にあまり影響はありません。

拡散障害では呼気と血中の二酸化炭素は増えず、呼気と血中で差は生じません。(ETCO2=PaCO2



シャント

シャントは換気がなく肺血流が存在する肺胞領域です。換気のある領域では正常にガス交換が行われるため、呼気のCO2は正常ですが 、ガス交換が行われた肺血流とガス交換が行われていない肺血流が混じるため血中のCO2が増えます。

シャントでは血中で二酸化炭素が増え(PaCO2↑)、呼気と血中で差が生じます。(ETCO2<PaCO2



死腔

死腔は肺血流がなく換気された肺胞が存在する領域です。肺血流のある領域では正常にガス交換が行われるため、呼気と血中のCO2は正常ですが、ガス交換が行われた肺胞とガス交換が行われていない肺胞の呼気が混じるため呼気のCO2が減ります。

死腔では呼気で二酸化炭素が下がり(ETCO2↓)、呼気と血中で差が生じます。(ETCO2<PaCO2






このように換気血流比不均衡が起きるとETCO2=PaCO2とならず差が生じてし舞います。

病態によってETCO2は変化するため、正常なPaCO2を知りたい場合は血液ガス測定を行います。

血液ガス測定は採血するため、手間と侵襲が発生します。また、急性期や救急時の頻回採血はあまり現実的ではないため「カプノメータ」と呼ばれる機器を使用することでETCO2を簡単に非侵襲で測定できます。





カプノメータ

カプノメータにはセンサーがあり、回路に取り付けると波形が表示されます。

この波形のことをカプノグラムと言います。

カプノグラムでは二酸化炭素は呼気で上昇し、吸気になると一気に下行します。

このカプノグラムを解析し、一番CO2の値が高くなる呼気終末の二酸化炭素分圧(ETCO2)を測定します。

測定にはメインストリーム方とサイドストリーム方があり、測定方法の違いでカプノグラムの波形も若干違います。





カプノグラム読みとり

自発呼吸が見られると呼気中にくぼみ(吸気)がでます。鎮静が浅かったり、人工呼吸器の設定が合っていない、などが考えられます。

呼気のプラトーが見られない波形は、カフ漏れやチューブの抜去などのリークが考えられます。

波形が基線に戻らない場合は再呼吸や呼吸器回路の呼気弁異常が考えられます。

ETCO2が上昇した場合は換気量低下、肺血流増加、体温上昇、代謝量増加、などが考えられます。

ETCO2が減少した場合は換気量増加、肺血流減少、体温低下、代謝量低下

波形がなだらかに上昇した場合は気道狭窄であり、痰の貯留や閉塞性肺疾患、気管チューブ不完全閉塞が考えられます。

波形がなくなった場合は換気がない状態であり、気道閉塞や無換気、食道挿管、回路外れなどが考えられます。





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参考にした資料

[参考書]ICUのモニタリング(重症患者ケア,2015)

[HP]カプノグラム付きカプノメータ(IMI)

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