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やさしく「ヘモスフィア」をまなぶ

投稿日:8月 17, 2020 更新日:

ヘモスフィアは心拍出量(CO)や体血管抵抗(SVR)、混合静脈血酸素飽和度(SvO2)などがモニタリングできる循環動態モニターです。

ICUではビジレオビジランスなど循環動態モニターがたくさんありますよね。

それらのモニターを1台に集約した機器がこのヘモスフィアなのです。

今回はそんなハイブリッドモニターになる「ヘモスフィア」をご紹介します。

ヘモスフィアの Point!
・「侵襲モード」「低侵襲モード」から選択する
・侵襲モードはスワンガンツカテーテルから心拍出量(CO)などを測定する
・低侵襲モードはフロートラックセンターから心拍出量(CO)などを測定する
・StO2センサーから組織酸素飽和度(StO2)を測定できる





ヘモスフィアの機能



ヘモスフィアはビジレオ・ビジランス・フォーサイトの機能を持っていてあらゆる項目を測定できます。

ビジレオの測定項目
 心拍出量(CO)
 1回拍出量(SV)
 1回拍出量変化量(SVV)
 体血管抵抗(SVR)
 中心静脈血酸素飽和度(ScvO2

ビジランスの測定項目
 心内圧
  ・右心房圧(RAP)
  ・肺動脈収縮期圧(PASP)
  ・肺動脈拡張期圧(PADP)
  ・肺動脈平均圧(MPAP)
  ・肺動脈楔入圧(PAWP)
 連続心拍出量(CCO)
 混合静脈血酸素飽和度(SvO2

フォーサイトの測定項目
 組織酸素飽和度(StO2

これらの項目を1台で測定ができるんです。

実際に使ってみると初期画面に「低侵襲モード」と「侵襲モード」を選択できます。

低侵襲はフロートラックセンサーを使ったビジレオのモードのこと

侵襲はスワンガンツカテーテルを使ったビジランスのモードのこと

になります。

心拍出量に関してはフロートラックとスワンガンツカテーテルの両方を使用することができませんが、フォーサイトの機能である組織酸素飽和度(StO2)は独立していて、どちらのモードでも測定可能です。





センサーとヘモスフィア本体の接続

このようにヘモスフィア側面はカセット式になっていて測定に必要なモジュールとセンサーを接続します。

基本は接続すると勝手に測定を始めます。

動脈圧は「ゼロ校正」を行ってから数値が表示されます。

スワンガンツカテーテルで心拍出量を想定する場合は右上の測定ボタンを押さないと測定が開始されません。





小児領域でのヘモスフィア

ヘモスフィアは従来のビジレオやビジランスと同様に、小児領域ではCOやSVRなどの正確性は証明されていません。

連続的モニタリングは有用でないですがスワンガンツカテーテルで冷水を注入する熱希釈法による間歇的モニタリングであればCOやSVRも有用です。





ヘモスフィアはEV1000に似た画面構成になっているため、スワンガンツカテーテルを使用する際は少々違和感があります。

ヘモスフィアのコンセプトは「一台完結」なので、今後はクリアサイトやEV1000の機能もアップデートされるんですかね。。。





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CO2から心拍出量測定 はこちら

その他の記事  はこちら(HP)





参考にした資料

[参考書]救急・ICU患者のME機器からみた呼吸・循環管理(2018)

[参考書]ECCE(Edwards,2015)
↑無料で見れます。

[HP]HemoSphere(Edwards)
↑無料で見れます。


[文献]各種循環動態モニタ-装置の比較─グラフィック機能の有用性-(医機学,2013)


[総説]集中治療における非侵襲的心拍出量モニタ(日集中医誌,2010)

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