ペースメーカーが普及されて日常でも見られることが多いと思います。
そんなペースメーカーと勘違いされがちな「CRT-D」についてご紹介したいと思います。
CRTの Point!
・ 電気刺激障害がある心不全が適応!
・ペースメーカーは右心ペーシング、CRTは両心ペーシングする
・ 両心ペーシングすることで心臓の収縮が良くなる
・ペーシングのみを「CRT-P」ペーシングと除細動も行うのが「CRT-D」
CRTとは


CRTは電気刺激障害による重症心不全に使用します。
CRT(cardiac resynchronization therapy)は心臓再同期療法という意味であり、収縮不全・拡張不全の心不全に使用されます。
心不全にはいろんな原因がありますが、刺激伝導が遅かったり(左脚ブロックなど)電気刺激に左右差や房室間で同期していなかったりと、刺激伝導系の問題で心不全に陥ることがあります。
このような心不全はCRTによって右心と左心の両方をペーシングします。
CRTなどの植込み型デバイスは他にもペースメーカーやICDなど種類があります。
ペースメーカーは右心をペーシングするのに対し、CRTは両心ペースメーカーとも呼ばれています。
両心ペーシングを「CRT-P」
除細動機能が加わったものを「CRT-D」
と言います。
P : pacemaker
D : defibrillator
CRTの適応
身体活動の制限(NYHA分類III度以上の慢性心不全)
心機能低下(左室EF35%以下)
QRS延長(幅120m秒以上)
薬物抵抗性
CRTと心電図

通常ペースメーカーの右室ペーシングだとQRS幅が広く、心室がゆっくり弱く収縮しているように見えます。
CRTの両心室ペーシングだとQRS幅が狭くなり心室がしっかり収縮するようになります。
両心室が同期できるようV-Vディレイの設定が重要になります。
ペースメーカーと同様に右心房リードと右心室リードがあり、CRTではこれに加えて左心室リードを使います。
リードを経静脈→冠状静脈→左心室表面に留置します。
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参考にした資料
[参考書]ペースメーカー心電図が好きになる(2014)
[参考書]レジデントのためのこれだけ心電図(2018)
↑めちゃくちゃわかりやすいです。書いた人を胴上げしたいです。