NPPVのマスクは種類があり、使い分けることで患者が気楽に受け入れてくれたり、治療としても有意義になります。
そんなNPPV装置について、マスク、回路構造をご紹介します。
NPPV装置のPoint!
・マスク選択はフィッティングが命!
・フィッティングが悪いとリークが増える、患者も不快になる
・回路は意図的にリークさせてるので、少量のリークは許容して良い
NPPVで使用される機種は二種類あります。
高圧配管型
ICU等で急性呼吸不全の患者によく使用されます。酸素濃度の調整が可能です。
酸素流量計型
在宅等で慢性呼吸不全の患者によく使用されます。患者の換気量で酸素濃度が変動します。
ここでは高圧配管タイプについて解説します。
NPPVのマスク
ネーザルマスク
鼻だけを覆うタイプです。在宅で慢性呼吸器疾患によく使用されます。マスク内の容量(死腔)は最も少ないです。
フルフェイスマスク
口と鼻を覆うタイプです。病院内・急性期でよく使用されます。
トータルフェイスマスク
顔全体を覆うタイプです。急性期でフルフェイスが使用できないとき(顔面に外傷や熱傷・フィッティング困難等)に使用します。
ヘルメット型
首から上を覆うタイプです。小児や新生児でよく使用される印象です。死腔量が最も多いです。
NPPVの回路構成
NPPVは空気と酸素をブレンドして送気を行っています。
バクテリアフィルター
本体で作られたガス内の菌やほこりを除去します。高圧配管タイプでは内蔵されていないため取り付けます。
加温加湿器
送気ガスの加湿を行います。NPPVは挿管用の人工呼吸器(IPPV)と違い、ガスが鼻と口を通るので加温と加湿が比較的弱い加温加湿器を使用します。
ウォータートラップ
ヒーターワイヤーが入っていない回路は結露が発生しやすいため取り付けます。
圧ライン
吸気・呼気の圧を測定します。
呼気ポート
マスクと回路には穴(呼気ポート)が空いていて、常にわざとガスを排気させています。
これをインテンショナルリークといいます。マスク内の残存呼気(死腔)を洗い流す効果があり再呼吸量が減少されます。
マスクのフィッティングがうまくいかない場合は呼気ポート以外からガスが漏れることがあります。この意図的でないリークをアンインテンショナルリークといい、極力減らします。
他にもダブルブランチ回路などがあります。
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参考にした資料
[参考書]人工呼吸ケアのすべてがわかる本(2014)
[雑誌]酸素療法(INTENSIVIST,2018)