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BISモニターとは(麻酔モニタリング)

投稿日:3月 14, 2021 更新日:

BISモニターは前頭部にセンサーを付けることで脳波を解析し、BIS(bispectral index)を算出します。



BISモニター



BISケーブル



BISセンサー

BIS値は起きている時は100になり、平坦脳波では0になります。

BISモニターは麻酔効果の参考になり、鎮静薬鎮痛薬での使用はもちろん。筋弛緩薬を併用する場合はBISモニターを用いることが推奨されています。





BISとは

BIS値は極端に考えれば

麻酔が効いてなければ100、効きすぎたら0

と考えてください。

少し細かく言うと

BIS 値(BIS value)
100:起きている、応答する
80:中等度鎮静、呼びかけや触れると応答
60:全身麻酔、応答なし
40:深い鎮静
20:バースト抑制(等電点脳波と交互に起こる脳波活動のバースト)
0:平坦脳波

全身麻酔はBIS値40~60の間で管理するのが好ましいです。

BISモニターではBIS値以外にも次の測定項目があります。

・BIS trend
BISのリアルタイムの値だけでなく、BIS値の経過も観察できます。

・EEG(脳波)波形
前頭部の脳波を表示します。BISで使用する脳波の周波数帯域は0.5~47Hz。EEGはBIS値だけでは不十分な時に使用します。↓下で解説

・EMG(筋電図)
筋電図と高周波アーチファクトをモニタリングしています。筋電図が混入するとBIS値が高く表示されます。↓下で解説

・SQI(signal quality index)
信号の通信状態を表します。電極の接触不良やコードの断線、機器内部の通信状態をモニタリングしています。

・抑制率(SR : suppression ratio)
EEG信号が抑制された直前の割合です。





インピーダンスチェック

脳波はノイズが入りやすいため、しっかりと電極を装着して皮膚と電極によるノイズ(電極インピーダンス)をできるだけ少なくします。

インピーダンスが高いとBIS値に誤差が現れるだけでなく、測定できないことがあります。

インピーダンスは立ち上げ時に行われますが、手動で行うこともできます。

インピーダンスチェック時のメッセージは次の種類があります。

・PASS
インピーダンスが低く測定が行える状態です。皮脂汚れがなく、センサーがしっかり装着されていればインピーダンスは下がります。

・HIGH
インピーダンスが高く測定が行えない、もしくはノイズが入りやすい状態です。センサー部分の皮脂汚れや不適当な装着が原因です。

・NOISE
チェック中にセンサーを押したり、大きな外部刺激がある場合に表示されることがあります。

・LEAD OFF

BISはすべてのインピーダンスが許容可能になるまで測定されません。





BIS値の注意点

BIS値は0~100の値を算出する計算値です。

BIS値の解析について細かい話をすると4つのサブパラメータでBIS値を算出しています。

BIS値の算出方法
100~60:RBR
40~60:SyncFastSlow
25~40:QUAZI
25~0:BSR

これらの計算で構成される「推定値」であり、麻酔薬の種類によって検出される脳波は違うため信頼性が低い場面があります。

数値だけでなく脳波波形も表示されているので、細かく状況を理解するためには脳波を読み取る技術も必要です。

また、これらの計算方法の違いで侵襲刺激などによる巨大δ波が入るとBIS値は低く表示されることがあります。

他にもBIS値は高齢者で低値、小児で高値になる傾向があります。

脳機能障害患者は適切な値が算出されない可能性があります。

筋電図が混入するとBIS値が高く表示されます。鎮痛や鎮静ではなく筋弛緩薬投与で低下することがあります。

BISモニターは振幅の「絶対値」を測定しているため、元から振幅の小さい患者は覚醒時でもBIS値40くらいに表示されることがあります。

リアルタイムでモニタリングしていますが、BIS値は1分間で測定された脳波から解析をするので、少し時間差が生じます。

このタイムラグで麻酔覚醒時につまずくことがあります。





正しくBIS値を利用するには

BIS値の注意点をつらつらと書きましたが、

適切な鎮静とともに「十分な鎮痛」を行うことでBISモニターの信頼度が上がります。

また、EEG(脳波)もうまく用いれば、適切な鎮静薬・鎮痛薬の調整が期待できます。

ここまで書いておきながら筆者はそこまでBISに詳しくないですが、麻酔科の医師は詳しいですよbb





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参考にした資料


Medtronic,BISカタログ


(特集)脳波モニタと筋弛緩モニタ(医機学,2016)


(総説)脳波モニターを正しく使うために(日臨麻会誌,2004)





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