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筋弛緩モニター(TOFとは)

投稿日:3月 14, 2021 更新日:

TOFモニターは筋弛緩薬の効果を把握するために使用するモニターです。

TOFモニターには「TOFウォッチ」や「TOFカフ」がありますが、ここでは当院で使用しているTOFカフについてご紹介します。





TOFってなに

そもそもTOF(Train of Four)とは昔から使われている技術で、神経に4連続で電気刺激して筋弛緩の強さをモニタリングするものです。

①と④の比(④/①)を「TOF比(TOF ratio)」と言います。筋弛緩が強くなると4回の電気刺激中にだんだんと反応が弱くなりTOF比が低下していきます。

TOF比が低いほど筋弛緩効果が強いです。もう少し正確に言うと

TOF比
90(0.9)以上:筋弛緩効果なし
70~90:頭部挙上や手が握れたり、ある程度の肺活量(抜管可)
70(0.7)以下:開眼や舌吐出不可

が目安になります。

4回の電気刺激中、反応が現れた回数を「TOFカウント(TOF count)」と言います。

筋弛緩がさらに強くなると4回の電気刺激の反応が後ろの方から消失していきます。

筋弛緩が弱い時はTOFカウント4ですが、筋弛緩が強くなるにつれてTOFカウント4→3→2→1と消失していき、最終的にはTOFカウントは0になります。

TOFカウント
2:体動可、横隔膜動く(体動可の小手術)
0:呼吸抑制(挿管)





TOFカフを見てみよう

TOFカフ(TOF cuff)はカフを巻くだけでTOFが測定できる優れモノです。



TOFカフ

見た目はNIBP(非観血式血圧)を測定するカフに似ていますがちょっと違います。

TOFカフはカフに電極がついています。

通常TOFは尺骨神経、後脛骨神経、顔面神経、咬筋神経を測定します。

TOFカフは二つの刺激電極から腕(尺骨神経)を刺激し、ピーク圧をセンシングして波形を表示します。

足(後脛骨神経)でも測定できます。

腕に巻くため、手術体位に制限がないのが特徴です。

TOFカフではTOF以外に「ST」や「PTC」も測定可能です。

TOFは2Hz(0.5秒に1回)で筋弛緩薬の効果を評価する4連続刺激のことで

ST(Single Twitch)は0.1Hz(10秒に1回)もしくは1.0Hz(1秒に1回)で筋弛緩薬投与前を比較する単一刺激です。

PTC(Post Tetanic Count)は5秒間テタニック(テタヌス)刺激(50Hz又は100Hzの連続刺激)します。テタニック刺激後は10~20秒ほど単発の刺激に対する反応が増大するため、3秒間の無刺激の後、PTCポストテタニックカウント(1Hzの連続刺激)を15秒または30秒与えて反応を評価する刺激です。

PTCはSTとTOFに対して全く反応がない「強い筋疾患時」に用いられます。

PTCは少ないほど筋弛緩が強いです。もう少し正確に言うと

PTC
11以上:TOFカウント2程度の筋弛緩
10~1:横隔膜完全抑制状態(腹腔鏡・脳外・頚椎手術)
0:気管内吸引をしても体動や咳も起こさない強い筋弛緩状態。筋弛緩が解けるには大量の拮抗薬、もしくは時間が必要

Moderate(中等度)
Deep(深い)
Intense(非常に強い)

STやPTC以外にも筋弛緩(NMT)の評価はダブルバースト刺激(DBS : double burst stimulation)などがあります。





革命的!オートパイロットモード

TOFカフにはの手動で測定できるほかに自動の測定モードがあります。

自動測定モードにはオートモード(AUTO)、オートパイロットモード(AUTO PILOT)があります。

オートモード(AUTO)

オートモードは設定した時間間隔でTOFを測定します。

例えば設定時間間隔を「10min」にすれば、10分ごとにTOFを測定します。

オートパイロットモード(AUTO PILOT)

オートパイロットモードは導入~筋弛緩回復までを自動で測定します。

1つの手術の最初から最後までをモニタリングするコンセプトで作られたモードです。

刺激感覚を自動で調整し、Moderrate(中等度筋弛緩)に入ると測定間隔を広げます。

DEEP(深い筋弛緩)に入るとPTCも測定され始め、Intense(非常に強い筋弛緩)完全ブロックしたら測定間隔をさらに広げます。

画面は二種類あります。

キャリブレーションは自動で行われます。





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参考にした資料



TOF-cuff 筋弛緩モニタ 紹介映像(IMI)


[シンポジウム]Train of Four Ratioは何を意味しているか?(日臨麻会誌,1990)


[シンポジウム]筋弛緩モニタリングの機器、モニタリング部位、モニタリングの実際(日臨麻会誌,2016)

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