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シリンジポンプのトラブル対応ができるようになる!意外と危険な「落とし穴」も解説

投稿日:10月 17, 2020 更新日:

シリンジポンプは院内では毎日見かけ、触る機会も多いと思います。

慣れ親しんだシリンジポンプですが、実はトラブルにつながる「落とし穴」があります。

今回はそんなシリンジポンプについてご紹介します。

シリンジポンプの Point!
・プライミングはシリンジポンプの「早送りボタン」で行うべし!(逆流、サイフォニング対策)
・閉塞アラームが鳴ってもすぐに開放するな!(高濃度薬剤の過剰投与)





シリンジポンプとは

輸液ポンプに比べ、少量の薬剤を低流量でより正確に送液する装置です。

シリンジポンプの流量誤差は輸液ポンプより小さく±3%以内 です。

シリンジは5mlから50mlのものが使用できます。





シリンジポンプの使い方

1 シリンジポンプにシリンジを取り付ける(クランプとフック)

2 電源を立ち上げる(このタイミングが大事!

3 早送りボタンを長押しし、シリンジとラインを薬液で満たす(プライミング)

4 患者に接続する

5 流量を設定する、開始ボタンを押す

送液がスタートします。





シリンジポンプの安全機能

押し子アラーム

シリンジの押し子がシリンジポンプのフックにかからずルートを開放(三方活栓などを開ける)すると「サイフォニング現象」や「逆流現象」が起きます。

※サイフォニング現象
押し子がフックにかかっていない状態で患者よりシリンジポンプの位置が高い場合、落差でシリンジ内の薬剤が送液される現象です。

※逆流現象
押し子がフックにかかっていない状態で患者よりシリンジポンプの位置が低い場合、落差で患者血液がシリンジ内に送液(逆流)される現象です。

ここで One Point!

ルート開放の前にシリンジポンプの電源を入れる!

シリンジポンプ起動時は、押し子がフックにかかっていないとアラーム(押し子アラーム)が発生します。

ルートを開放する前に押し子がフックにちゃんと取り付けられていないことに気づけます。

発生時は速やかに対処します。

また、この手順で取り付けた時は一度「早送りボタン」でプライミングをやり直した方が良いです。

手動でプライミングをするとシリンジポンプに取り付けた際にフックとクラッチに遊びの部分(隙間)ができてしまいます。

この隙間があると、送液を開始してもしばらくは患者に薬剤が注入されません。

シリンジポンプの「早送りボタン」でプライミングすれば隙間がない状態で送液が開始されるので、問題ありません。





閉塞アラーム

三方活栓の操作ミスなどで薬液回路の先が閉塞している状態では回路内圧が上昇し、シリンジポンプのスライダーにも圧がかかるため、この圧力を検知して閉塞アラームが発生します。

ここで One Point!

閉塞アラームが鳴ったらすぐに閉塞を解除しない!(三方活栓やクレンメを開けない!)

シリンジポンプ動作中に閉塞している箇所があっても、実際にアラームが鳴るまでに時間がかかります。

この間は薬剤が患者に送られず、閉塞している箇所に過大な圧力がかかっています。

アラーム発生時すぐに閉塞を解除(開放)すると大量の薬剤が患者に投与されてしまいます。

シリンジポンプでは基本的に高濃度薬剤を使用しているので少量でも危険です。

閉塞アラームを見かけたら、患者に送られないよう閉塞個所の薬剤を捨てたり、圧を逃がすなりしてから送液しましょう!





残量アラーム

薬液がなくなり、スライダーが押し切られると残量アラームが発生します。同時に送液完了を意味するので薬液の交換を行います。





TCI機能

目標血中濃度を設定すると自動計算し投与流量を調整します。ガンマ計算で投与するものやディプリノバン製剤が当てはまります。





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参考にした資料

[参考書]医用治療機器学(臨床工学講座,2018)

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