Impellaとは
大腿動脈から挿入し、先端を左心室に留置するポンプ内蔵のカテーテルです。流入部の左心室から脱血し、吐出部の大動脈基部へ送血することで心機能の補助を行います。
圧で補助するIABPに対して、インペラーは流量を補助でき、補助効果が高いのが特徴です。
ECMOと併用した「エクペラ」と呼ばれる使い方をすることもあります。

Impellaの適応
2016年に「心原性ショック等の薬物療法抵抗性の急性心不全」に対する治療として国内に臨床使用が開始されました。
心臓が原因のショック状態(血圧低下)、いわゆる心原性ショックで使用されます。
原因となる心不全は
狭心症、心筋梗塞、不整脈などがあります。
なかでも、
薬剤が効きにくいとき(薬剤抵抗性)
処置を施しても治りにくいとき(難治性)
に使用されます。
他にもPCPS使用時のベント(後負荷軽減)目的で使用します。「エクペラ」
急性心不全にはいろんな評価方法がありますが一番メジャーなCS分類、Nohria-Stevenson分類、Forrester分類がよく用いられます。
[CS分類] 収縮期血圧90mmHg以下
[Nohria-Stevenson分類] うっ血、末梢循環不全
[Forrester分類] CI 2.2以下、PAWP 20mmHg以上
他にも血中乳酸値2mmol/L(18mg/dL)以上、乏尿、など
Impellaの禁忌
インペラーは大動脈弁を通過する設計になっているため、大動脈弁に異常がある疾患には禁忌になってます。
(絶対)大動脈機械弁、大動脈閉鎖不全、左室内血栓
(相対)末梢血管疾患、破裂・閉塞性肥大型心筋症、心房(心室)中隔欠損症、心タンポナーデ、呼吸不全、大動脈解離、大動脈瘤、右心不全、IABP長時間使用後
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参考にした資料
[参考書]臨床工学技士集中治療テキスト(日本集中治療医学会,2019)
[指針]急性・慢性心不全診療ガイドライン(各学会,2017)