apheresis 血液浄化

リウマチ・膠原病に対するアフェレシス

投稿日:2月 2, 2020 更新日:





全身性エリトマトーデス(SLE)

・概要

DNAや抗DNA抗体などの免疫複合体が沈着し。全身が炎症反応を起こす自己免疫疾患。

・診断

顔面紅斑、円板状皮疹、光線過敏症、口腔内潰瘍、関節炎、漿膜炎、腎病変、神経学的病変、血液学的異常、免疫学的異常、抗核抗体陽性などから診断される
難病情報センター

・アフェレシス

血漿交換(PE)
二重膜濾過血漿交換(DFPP)
血漿吸着(PA)
 イムソーバPH、セレソーブ

・除去ターゲット

IgG

・アフェレシスの位置づけ

根治治療はなく、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)やステロイド剤、免疫抑制剤で対症療法が基本です。ループス腎炎(LN)合併や検査以上、薬剤が増量できないような症例はアフェレシスを考慮してもよいです。シンプルなSLEはDFPPやIAPP(PA)を行うことが多く、LNやTTP、血球貪食症候群などを合併している場合はFFP置換によるPEが望ましい。
全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019

・保険適応

月4回
特定疾患医療受給者+CH50値20単位以下+C3値40mg/dl以下+抗DNA抗体↑+ステロイド無効+RPGN(orCNSループス)の診断有





抗リン脂質抗体症候群(APS)

・概要

抗リン脂質抗体が血栓形成を促進させ、動静脈血栓症や流産などを起こす自己免疫疾患。

・診断

血栓症や妊娠合併症の臨床所見、ループスアンチコアグラント(LA)や抗カルジオリピン抗体(aCL)、抗β2-GPI抗体などの検査を行う。
難病情報センター

・アフェレシス

血漿交換(PE)
二重膜濾過血漿交換(DFPP)
血漿吸着(PA)
 セレソーブ

・除去ターゲット

抗DNA抗体
抗カルジオリピン抗体

・アフェレシスの位置づけ

ステロイド、免疫抑制剤、γグロブリン大量療法や(深部)静脈血栓には抗凝固療法、動脈血栓には血栓溶解療法を中心に行う。CAPSなどの重症例はPEが有効といわれており、置換液にFFPを用いることで凝固系が是正し病態改善につながると考えられている。他にもDFPPや抗DNA抗体、抗カルジオリピン抗体を選択的吸着するPA(セレソーブ)がある。

・保険適応

なし





ANCA関連血管炎(AAV)

・概要

抗好中球細胞質抗体(ANCA)は腎炎と多発関節炎を有する好中球に特異的な自己抗体。
顕微鏡的多発血管炎(MPA)
多発血管炎性肉芽腫症(GPA)
[旧Wegener肉芽腫症(WG)]
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)
[旧Churg-Strauss症候群(CSS)]
などの種類がある

・診断

臨床所見や組織所見、血液検査から分類・鑑別を行う。

・アフェレシス

血漿交換(PE)
二重膜濾過血漿交換(DFPP)
白血球除去療法(LCAP)
顆粒球除去療法(GCAP、GMA)
血液透析(HD)

・除去ターゲット

抗好中球細胞質抗体(ANCA)

・アフェレシスの位置づけ

PEは腎不全や肺胞出血等の最重症例に対する治療として位置づけられている。(治療条件例:FFP30単位/回を7回、透析と組み合わせて行う)他にもDFPP、LCAP、GCAPの報告がある。
AAVにアフェレシスの保険適応はないが、ANCA型RPGNを合併すれば保険適応あり、マウスの実験では好中球を著減させるとRPGNを合併しなかった報告があり、AAVでもアフェレシスの有効性が期待できるといわれている。
ANCA関連血管炎診療ガイドライン2017厚生労働省
ANCA関連血管炎の診療ガイドライン

・保険適応

なし
ANCA型RPGNは適応あり





関節リウマチ(RA)

・概要

原因不明の関節炎、関節破壊が見られ、肺や腎臓、皮下組織まで炎症反応がみられる自己免疫疾患。

・診断

1関節以上の滑膜炎、血清学的検査、急性期反応、症状発症から点数をつけて診断する。
リウマチ情報センターリウマチ財団

・アフェレシス

白血球除去療法(LCAP)
 セルソーバCS

・除去ターゲット

白血球、血小板

・アフェレシスの位置づけ

温熱療法やリハビリ、薬物療法、手術が基本的な治療内容である。薬物抵抗性の急速進行型RA患者にLCAPの保険が適応されている。カラムが若干陰性であるため、ACE阻害剤の内服を確認する必要がある。GCAPも臨床効果が報告されている。
診療ガイドライン日本リウマチ財団
間接リウマチ診療ガイドライン2014

・保険適応

週1回×5
薬物療法抵抗+腫脹関節数6以上+ESR 50mm/hr以上(or CRP 3mg/dl以上)





悪性関節リウマチ(MRA)

・概要

間接リウマチ(RA)に難治性、重症な血管炎や関節外症状を伴う疾患。

・診断

多発性神経炎や心筋炎、臓器梗塞などの症状。リウマトイド因子高値、血清低補体価、血中免疫複合体陽性などの検査所見。生検で小・中動脈壊死性血管炎、肉芽腫性血管炎など
難病情報センター

・アフェレシス

血漿交換(PE)
二重膜濾過血漿交換(DFPP)
血漿吸着(PA)
 イムソーバPH

・除去ターゲット

IgG

・アフェレシスの位置づけ

抗リウマチ薬、ステロイド、免疫抑制剤などが基本的な薬物療法である。治療抵抗例ではPEやDFPP(orクライオフィルトレーション)、PA、LCAP、高用量ガンマグロブリン静注療法(IVIG)(保険適応外)が有効の報告あり。
血管炎症候群の診療ガイドライン2017年改訂版

・保険適応

週1回
特定疾患医療受給者+血管炎による関節外症状





多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)

・概要

単核球が筋繊維に浸潤し、そこから炎症反応が起こり発熱や筋力低下がみられる自己免疫疾患。

・診断

皮膚症状や上肢or下肢の近位筋力↓などの症状が見られ。血液検査、筋電図検査、筋生検などの検査を行う。
難病情報センター

・アフェレシス

血漿交換(PE)
二重膜濾過血漿交換(DFPP)

・除去ターゲット

抗ミオグロビン抗体
抗ミオシン抗体
抗ARS抗体(抗Jo-1抗体含む)(特に多発性筋炎)
抗Mi-1抗体(特に多発性筋炎)
抗Mi-2抗体(特に皮膚筋炎)
Ku抗体
抗TIF-1γ抗体
抗MDA5抗体

・アフェレシスの位置づけ

副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制剤が基本的な治療である。PE、DFPPが有効となった報告あり。しかし抗体と本症発症の関連性は不明です。
多発性筋炎/皮膚筋炎治療ガイドライン
膠原病とアフェレシス―皮膚筋炎(DFPP)

・保険適応

なし





全身性強皮症 (硬化症)(SSc)

・概要

原因不明の皮膚や臓器が硬化する疾患。
びまん皮膚硬化型(dcSSc)
限局皮膚硬化型(lcSSc)
などの種類がある。

・診断

皮膚硬化や手指尖端の陥凹性瘢痕or指腹の萎縮、両側性肺基底部の線維症、抗Scl-70(トポイソメラーゼI)抗体、抗セントロメア抗体、抗RNAポリメラーゼIII抗体陽性など
難病情報センター

・アフェレシス

血漿交換(PE)
二重膜濾過血漿交換(DFPP)

・除去ターゲット

抗トポイソメラーゼ抗体(dcSSc)
抗RNAポリメラーゼ抗体(dcSSc)
抗セントロメア抗体(lcSSc)

・アフェレシスの位置づけ

完治する薬剤はないが、重症度分類に合わせた薬剤選択を行う。DFPPが有効であるという報告もある。
難治性膠原病における血液浄化療法
全身性強皮症 診断基準・重症度分類・診療ガイドライン日本皮膚科学会
全身性強皮症ガイドライン全身性強皮症ガイドライン作成委員会

・保険適応

なし





ベーチェット病(BD)

・概要

好中球浸潤により皮膚や口腔内、眼に症状がでる原因不明の炎症性疾患。

・診断

口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍、皮膚症状、眼症状、外陰部潰瘍などの症状
難病情報センター

・アフェレシス

血漿交換(PE)
二重膜濾過血漿交換(DFPP)

・除去ターゲット

HLA-B51抗原
サイトカイン

・アフェレシスの位置づけ

ステロイドや免疫抑制剤、抗菌薬、TNF-α阻害剤など、病態に対する薬物療法が基本の治療である。PEも治療選択肢の一つとして考えられる。
ベーチェット病眼病変診療ガイドライン
ベーチェット病の皮膚粘膜病変診療ガイドライン

・保険適応

なし





混合性結合組織病(MCTD)

・概要

全身性エリトマトーデスや全身性強皮症、多発性筋炎などの臨床症状が同時にみられる原因不明で膠原病重複の自己免疫疾患。

・診断

レイノー現象、手指or手背の腫脹の所見。 免疫学的所見、抗U1-RNP抗体陽性など、その他さまざまな混合所見。
難病情報センター

・アフェレシス

血漿交換(PE)

・除去ターゲット

抗U1RNP抗体(抗(n-)RNP抗体)

・アフェレシスの位置づけ

ステロイド薬、免疫抑制剤、非ステロイド系抗炎症薬、DMARDs、生物学的製剤、免疫グロブリン大量静注療法などの薬剤が基本に用いられる(推奨度が高い順)。PEは保険適応外で有効性も確立されていないが治療選択肢の一つとして考えられる(月2回)。
混合性結合組織病の診療ガイドライン改訂第3版2011

・保険適応

なし





川崎病(KD)

・概要

原因不明の血管炎症候群。特に冠動脈の拡大が特徴的である。

・診断

発熱、両側眼球結膜の充血、口唇・口腔所見(紅潮、いちご舌、粘膜のびまん性発赤)、発疹などの所見と心エコーでの冠動脈病変
川崎病診断の手引き改訂第6版日本川崎病学会

・アフェレシス

血漿交換(PE)
二重膜濾過血漿交換(DFPP)

・除去ターゲット

サイトカイン?

・アフェレシスの位置づけ

急性期は免疫グロブリン大量静注療法が第一選択であり、その他に生物学的製剤、免疫抑制剤などがあげられる。薬剤抵抗性の場合にPEが治療法としてあげられる。(置換液:5%アルブミン、血漿量の1~1.5倍、通常3日間、最大6日間)

・保険適応

6回
薬剤抵抗





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参考にした資料

[参考書]アフェレシス療法ポケットマニュアル(2012)

[参考書]アフェレシスマニュアル(日本アフェレシス学会,2010)

[HP]令和2年度診療報酬改定について(厚生労働省)

[HP]令和2年度診療報酬点数 処置(今日の臨床サポート)
↑厚労省の診療報酬改定内容がわかりやすくまとまっているサイトです。

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