apheresis 血液浄化

肝疾患に対するアフェレシス

投稿日:2月 2, 2020 更新日:





劇症肝炎

・概要

急性肝不全の中でも重症な肝機能の急激な低下

・診断

肝炎の初期症状出現後 8 週以内
肝性昏睡Ⅱ度以上の肝性脳症
プロトロンビン時間が 40%以下
※症状出現後 10 日以内に 脳症[急性型]11 日以降[亜急性型]劇症肝炎の診断基準(厚生労働省「難治性の肝疾患に関する調査研究」班:2003 年)
肝性脳症の昏睡度分類 犬山シンポジウム(1981 年)
劇症肝炎の肝移植適応ガイドライン:スコアリングシステム2009年

・アフェレシス

血漿交換(PE)
血漿吸着(PA)
 プラソーバBRS
 メディソーバBL

・除去ターゲット

肝性昏睡起因物質(アミノ酸、アンモニアなど)
ビリルビン
胆汁酸
凝固因子(補充)

・アフェレシスの位置づけ

中心静脈栄養(1,200~1,600 K cal/日を目安、熱源はブドウ糖、アミノ酸は入れない)に加えて原因に関係なくPE,HDFをされることが多い。slowPEかPE+HFCHDFかon-lineHDFが望ましい。次にPE。PEに効果がない場合は肝移植も考慮する。※ヘパリンは望ましくない

・保険適応

10回





術後肝不全

・概要

術後の輸血や薬剤、感染などによる肝機能の急激な低下

・診断

術後28日以内
1、T-Bil 5mg/dl以上
2、ヘパプラスチンテスト40%以下
3、肝性昏睡II度以上
上2項目以上
※一般的な診断基準

・アフェレシス

血漿交換(PE)
二重膜濾過血漿交換(DFPP)
血漿吸着(PA)
 プラソーバBRS
 メディソーバBL

・除去ターゲット

肝性昏睡起因物質(アミノ酸、アンモニアなど)
ビリルビン
胆汁酸
凝固因子(補充)

・アフェレシスの位置づけ

中心静脈栄養(1,200~1,600 K cal/日を目安、熱源はブドウ糖、アミノ酸は入れない)に加えて早期にPE(+CHDF)をされることが多い。ほかにもMARS(Alb透析)やPDFも。※ヘパリンは望ましくない

・保険適応

7回
T-Bil 5mg/dl以上+持続的上昇、ヘパプラスチンテスト(HPT)40%以下or Coma Grade II以上の条件2項目以上





急性肝不全

・概要

肝機能の急激な低下

・診断

初期症状から8週以内にプロトロンビン時間40%以下or INR値1.5以上
昏睡度Ⅰ度以下[非昏睡型]
昏睡度Ⅱ以上[昏睡型] 10日以内は急性型、11日~ 56日は亜急性型

・アフェレシス

血漿交換(PE)
二重膜濾過血漿交換(DFPP)

・除去ターゲット

肝性昏睡起因物質(アミノ酸、アンモニアなど)
ビリルビン
凝固因子(補充)

・アフェレシスの位置づけ

中心静脈栄養(1,200~1,600 K cal/日を目安、熱源はブドウ糖、アミノ酸は入れない)に加えて原因に関係なくPE,HDFをされることが多い。slowPEかPE+HFCHDFかon-lineHDFが望ましい。次にPE。PEに効果がない場合は肝移植も考慮する。※ヘパリンは望ましくない

・保険適応

7回





慢性肝不全

・概要

肝機能の低下 慢性肝不全≒肝硬変

・診断

血液検査(Alb・T-Bil・PT%・Plt・AST/ALT) 腹部エコー(変形を見る) 肝生検(繊維を見る)ファイブロスキャン(硬さを見る) チャイルド-ピュー分類(肝予備能)

・アフェレシス

全血交換
血漿交換(PE)
血液吸着(HA)
 ヘモソーバCHS
 メディソーバDHP

・除去ターゲット

欠乏血漿タンパク
Alb結合毒性物質
凝固因子(補充)(PE)
中分子量物質(HA)
血球(補充)(全血交換)

・アフェレシスの位置づけ

肝移植までのブリッジ。肝機能は基本リカバリーしないため、行わない

・保険適応

適応なし





肝性昏睡

・概要

肝機能低下による意識障害

・アフェレシス

血液吸着(HA)
 ヘモソーバCHS
 メディソーバDHP

・除去ターゲット

アミノ酸、Crなど(内因性)
薬剤(外因性)

・アフェレシスの位置づけ

あまり使われない(低分子除去能悪く脳浮腫も多い)

・保険適応

回数制限なし





肝移植

・概要

健康な人(ドナー)の肝臓を肝機能低下している患者(レシピエント)に移植すること

・診断

肝移植希望者(レシピエント)適応疾患
劇症肝炎や肝移植の他に治療法がない疾患など

臓器提供者(ドナー)適応外
全身性活動性感染症 HIV 抗体・HBs 抗原が陽性 悪性腫瘍(治癒したと考えられるものを除く)
日本移植学会

・アフェレシス

二重膜濾過血漿交換(DFPP)

・除去ターゲット

IgG
IgM

・アフェレシスの位置づけ

施行はDFPPとされている

・保険適応

術前4回、術後2回
ABO血液型不適合間の同種移植orリンパ球抗体陽性の同種移植





ウイルス性肝炎(C型肝炎など)

・概要

肝臓がウイルス感染によって炎症が起こる

・診断

非代償性肝硬変
ALT 30U/l以上
Plt 15万/μl以下
合併疾患で予後不良の場合は行わない。線維化進展例、男性、高齢は早期治療(発癌リスク高い)

・アフェレシス

血漿交換(PE)
二重膜濾過血漿交換(DFPP)
瀉血療法(C型慢性肝炎に対して)

・除去ターゲット

C型肝炎ウイルス[55~65nm]

・アフェレシスの位置づけ

ガイドラインにPEの記載なし。するならDFPP?RNA陰性化の手助け程度。インターフェロン抵抗性or副作用が強い患者に対し、補助療法として鉄分(赤血球)除去目的に瀉血療法がある。

・保険適応

PE、DFPP
5回
ジェノタイプII(1b)型(HCV RNA100KIU/ml以上)(IFN療法直後)

瀉血療法(C型慢性肝炎)
IFN療法や肝庇護療法に抵抗性(250点)





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参考にした資料

[参考書]アフェレシス療法ポケットマニュアル(2012)

[参考書]アフェレシスマニュアル(日本アフェレシス学会,2010)

[HP]令和2年度診療報酬改定について(厚生労働省)

[HP]令和2年度診療報酬点数 処置(今日の臨床サポート)
↑厚労省の診療報酬改定内容がわかりやすくまとまっているサイトです。

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