インペラーのウイニングと抜去方法についてご紹介します。
毎日血行動態を確認し、インペラーが離脱可能と判断したらウイニング・抜去を行います。
インペラーのウイニングと抜去
血行動態を確認しながら補助レベルをP-2まで下げます。
固定リングから滅菌スリーブを外し、補助レベルをP-1に下げます。P-1(ポンプが少し回っている)の状態でインペラーを左心室→大動脈まで引き抜きます。
その後、ACT150秒以下になったら補助レベルをP-0にし、ポンプを止めます。
ここでOne Point!
インペラーはただの空洞の筒なので、モータが回っていない状態では大動脈→左心室へと血液が逆流してしまいます。なので、左心室から引き抜くまではポンプを回しておき、逆流が起こらないようにします。
インペラー本体を抜去、制御装置の電源をOFFにし、止血を行います。
エクペラのウイニング
インペラーとVA ECMOを併用している状態、通称「エクペラ」のウイニングは基本的にECMOから先に抜き、後日インペラーを抜く。といった流れになります。
エクペラ時のインペラーの主な役割は左室の減圧(ベント)であり、循環補助の主体はECMOになります。
(ECMOは強力な治療ではあるが合併症も多い、そういう意味でも早く抜きたいところ・・・)
ECMOは毎日離脱テスト(ECMO流量を1L/min程度にする)を行い、原疾患の改善、心拍動増加、適正な酸素化(人工呼吸器のみで酸素化充分)、LVEF:20~25%以上、昇圧剤の使用量が過度ではない状態でMAP:60~65mmHg以上、CVP:18mmHg以下CI:2.2L/min/m2以上、・・・などなどを評価し、ECMO離脱可能!となれば抗凝固療法を行ったままECMOを抜去し、インペラー単独にします。
イメージでは「酸素化問題なし!右心不全問題なし!インペラーだけの左室補助で循環維持できる!」みたいな状態でECMOの抜去を検討します。
後日、インペラーもウイニング可能と判断したら、先ほどご紹介した手順でインペラーを抜去します。
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参考にした資料
[参考書]臨床工学技士集中治療テキスト(日本集中治療医学会,2019)