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やさしく「ブラッドアクセスの選択」をまなぶ

投稿日:2月 17, 2020 更新日:

ブラッドアクセスはシャントのない腎不全患者でも早急に透析を行うことができるカテーテルです。

ブラッドアクセスを適切に選択することで事故が起こらず安全に挿入でき、さらにCHDF治療時の脱血不良を回避できます。

ブラッドアクセスは「医師が勝手に入れる物・・・」と決めつける方もいますが、ブラッドアクセスに詳しくない医師もいます。

われわれが詳しく分類を知ることで、治療の質がグン↑と上がります。

そんなブラッドアクセスについて今回ご紹介します。

ブラッドアクセス選択の Point!
・エンドホールは脱血不良が起きにくい、サイドホールは挿入しやすい
・透析を行うには最低2つのルートが必要(ダブルルーメン)
・脱血不良が起こるので、できるだけ太いものが望ましい
・適切な長さを選ぶ(脱血不良、不整脈、迷入など起こる)





ブラッドアクセスは直訳すると「血管の出入口」になります。血管内と透析回路をつなぐ架け橋となります。

国際的には「バスキュラーアクセス」と呼ばれていて日本も呼び方を合わせている傾向です。

集中治療領域では24時間管理の透析をすることが多いので、カテーテルを用いたブラッドアクセスを使用します。

このカテーテル型のブラッドアクセスはいろんなメーカーが出していて、ラインナップはかなり多いです。

分類すると次のように分けられます。

ブラッドアクセスの分類
・穴の形状(ホール)
・穴の本数(ルーメン)
・挿入場所
・太さ(サイズ)
・長さ

一つずつ解説していきます。





穴の形状(ホール)

先端に穴があるのがエンドホール型です。穴が血管壁に引っ付かず脱血しやすいと言われています。

横に穴があるのがサイドホール型です。形状から挿入しやすいと言われていますが実際はエンドホールとあまり大きく変わりません。

図以外にも両方のハイブリッド型のコアクシャル型や先端がねじれた脱血孔をしているブラッドアクセスがあります。



ちょっと変わったブラッドアクセス

上の画像は脱血に強く、筆者もオススメするパワートリアライシス(メディコン社製)の先端です。先端の脱血孔が血管壁に引っ付かないようねじ曲がっており、サイドホールも追加されています。

基本はサイドホールとエンドホールの特徴を知っていれば他のブラッドアクセスも理解できます。





穴の本数(ルーメン)

僕の知っている限りでは最大4穴のクワッドルーメンのブラッドアクセスがあります。

どれも見た目は一本ですが中には送血用と脱血用、その他薬剤や輸液のルートがあります。

透析を行うには最低でも2つのルートが必要です。

なので透析を行う場合はダブルルーメン以上のブラッドアクセスを選択します。

慢性の維持透析ではダブルルーメンのブラッドアクセスが主流です。





挿入場所の違い

挿入場所 内頸(首)に挿入するタイプは首元で邪魔にならないように曲がっています。



首でよく使うブラッドアクセス



足でよく使うブラッドアクセス





太さ(サイズ)

通常成人では12Frや13Frほどの太いブラッドアクセスを使用します。

小児は血管径が細いため、成人より細いブラッドアクセスを使用する時があります。

自分が知っている限り、国内最小は6Frのベビーフローがあります。

1歳未満の小児でも安定してCHDF、血漿交換(PE)ができました。





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参考にした資料

[参考書]CRRTポケットマニュアル(2015)

[参考書]アフェレシス療法ポケットマニュアル(2012)

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