CBP CRRT 血液浄化

血液浄化器の性能

投稿日:2月 16, 2020 更新日:

普段使用しているヘモフィルターがどれぐらい良いものか、何を得意としているか、違いは何か、などを判断するための評価項目をあげると

1 機能性
2 生体適合性
3 吸着特性

順に解説していきます。





1 機能性

拡散や限外濾過がどれくらいで優れているか。ということです。評価の仕方は様々ですがリストアップすると

拡散の性能
・クリアランス(CL)
・ダイアリザンス
・総括物質移動面積係数(KoA)

限外濾過の性能
・ふるい係数(SC)
・膜間圧力差(TMP)
・濾過係数(Lp)
・限外濾過率(UFRP)

多く感じますが実際には

小分子量物質除去の評価に「クリアランス」
中分子量物質除去の評価に「ふるい係数」
水の濾過性能(透水性)の評価に「膜間圧力差(TMP)」

この三つがよく使われる印象です。

なので、この三つだけ説明します。



クリアランス

一言でいうと

血液流量のうちどれくらいの流量分の物質を除去したか。

になります。

分かりにくいですよね、

クレアチニンのクリアランスを例えるなら、

血液流量が100ml/min

血液浄化器入口のクレアチニン濃度が10mg/dl

血液浄化器出口のクレアチニン濃度が2mg/dlだとすると

クレアチニンが8mg/dl(80%)透析されたと言えます。

これを血液流量で考えると

血液流量100ml/minのうち80ml/min(80%)のクレアチニンを除去する性能がある。

という風に考えます。

式で表すと
(血液入口流量×血液入口濃度)-(血液出口流量×血液出口濃度)=(クリアランス×血液入口濃度)

基本は治療設定でクリアランスは変わりますが膜の材質や面積でも変化するため、膜の小分子除去の評価に使われます。



ふるい係数

一言でいうと

物質が膜を透過する割合。

になります。

小分子は100%通過するため「1」

大分子は膜を通過しないため「0」

中分子は膜を通るものと通らないものがあるため「0~1」になります。

式で表すと
ふるい係数 = 濾液濃度 / 血液側濃度

中分子は大きさによってふるい係数が変わるため、「この血液浄化器は広範囲の中分子が抜ける、別の血液浄化器はあまり中分子が抜けない。」などなど、血液浄化器によってふるい係数が違うため、カタログや資料を見て中分子除去の評価をします。



TMP(膜間圧力差)

一言でいうと

血液側と透析液側の「圧力の差」

になります。

理論上は、血液側圧力が上昇 or 透析液側圧力減少 or その両方 でTMPは上昇します。

式で表すと
TMP = 血液側圧力 - 透析液側圧力

実際は中空糸の側孔が血中の物質で目詰まり(ファウリング)を起こすとTMPは上昇します。

血液浄化器によってはファウリング起きやすいもの・起きにくいものがあるため、TMPが上がりやすいもの・上がりにくいものが出てきます。できるだけTMPが上がりにくいものを選択します。





2 生体適合性

生体が異物と接触するため過剰な生体の免疫反応や、医用材料の溶出物や透析液が汚染されて異物が毒性を持つことがあります。

サイトカイン過剰産生や補体系、血小板凝集などが起こります。

これらができるだけ起こらない材質・滅菌処理をする必要があります。

ポリスルホン系の膜はPVP(ポリビニルピロリドン)を親水化剤として使用し、このPVPが原因でアナフィラキシーショックを誘発する可能性もあります。また、BPA(環境ホルモン)と呼ばれる物質も含んでいるため、非毒性については意見が多いです。

院内で使用している膜の生体適合性を把握しておくのも大事ですが、バイタルが崩れて膜が原因のようだったら、別種類の膜を使用するのが無難です。





3 吸着特性

膜そのものに物質を吸着し除去する特性です。 拡散や限外濾過と違う原理の物質除去で特にサイトカインの吸着除去ができる膜が増えてきています。

敗血症急性膵炎などサイトカインが悪さをしている場合は吸着特性のある血液浄化器の選択を考慮します。





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[参考書]臨床工学技士のための血液浄化療法フルスペック(2014)

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