高頻度振動換気法(HFOV : high frequency oscillatory ventilation)とは
平均気道内圧で内容量を確保し、小さい換気量(解剖学的死腔程度)で換気を行うモードです
急性呼吸促迫症候群(ARDS)で使用されますが、有効性は示されてなく、そこまで推奨はされていないが昔から存在する換気モードです。
HFOVの設定
HFOVイメージ
一回換気量は少なく、理想体重あたり2~3ml/kgです。
SV(stroke volume)やCV(cycle volume)などとも呼ばれます。
換気回数は非常に多く「振動数」とも呼ばれます。
10Hz(10回/秒=600回/分)で設定することが多いです。
酸素化を改善する目的でFIO2と平均気道内圧を調整します。
上の対応表がよく使用されます。
30cmH2O以上でVALIや右心不全を合併する可能性があります。
なので、心エコーも評価に加えた方が良いです。
通常の成人呼吸器では定常流(bias flow)が流れており、流量は10L/min程度です。
HFOVでは回路内のガスを洗い流すために高流量の定常流が必要になります。
定常流は20~40L/minで設定することが多いです。
30L/min以上で換気効率が良いという報告もあります。
頭蓋内圧亢進や気流障害のある患者にはHFOVは好ましくないと言われています。
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参考にした資料
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臨床工学技士集中治療テキスト(日本集中治療医学会,2019)