その他機器 治療機器

やさしく「フットポンプ」をまなぶ

投稿日:10月 15, 2020 更新日:

静脈血栓塞栓症(VTE)予防で当たり前のようにフットポンプを見かけるようになりました。

私も点検目的でフットポンプを自分に装着することがありますが、気持ちいいですね。

今回はそんなフットポンプをご紹介したいと思います。

フットポンプの Point!
・体を長時間動かさないと血管内で血栓ができ、塞栓症を起こす(VTE)
・フットポンプは断続的に四肢を加圧し、血栓形成を予防する
・他にも弾性ストッキングや薬物療法(抗凝固剤)、早期離床、運動などで血栓形成を予防することがある。





静脈血栓塞栓症(VTE)

手や足を長時間動かさずにいると血液が血管内でうっ滞する箇所ができ、そこに血栓が生じることがあります。

できた血栓は四肢の静脈で詰まる深部静脈血栓症(deep venous thrombosis: DVT)や

心臓まで運ばれ肺動脈塞栓症(pulmonary embolism: PE)

になるリスクがあります。

これらを総称して静脈血栓塞栓症(VTE)と言います。

最近では旅行や出張で長時間の飛行機で同じ姿勢を取りVTEを発症することがあります。

エコノミークラス症候群とも呼ばれています。



閉塞性血栓

閉塞性血栓は血栓が腸骨静脈や大腿静脈で詰まり、足がむくんだり赤く腫れたり症状に現れるので診断が容易です。



フリーフロート血栓

フリーフロート血栓は小さい血栓から徐々に成長し、四肢の静脈で詰まらず四肢→心臓→肺へと移動し、肺血栓塞栓症になりやすいです。

血行障害が起こりにくく、症状に現れないため、診断が難しいです。





フットポンプとは

フットポンプは足を断続的に圧迫し、静脈血栓塞栓症(VTE)を予防します。

腓骨神経麻痺、コンパートメント症候群などの合併症があるので、注意します。

静脈血栓塞栓症の予防にはフットポンプの他に弾性ストッキングや薬物療法(抗凝固剤)、早期離床、運動などがあります。





オススメ閲覧記事

凝固 はこちら

播種性血管内凝固(DIC) はこちら

抗凝固療法 はこちら

その他の記事 はこちら(HP)





参考にした資料

[指針]肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症予防ガイドライン(日本止血学会,2004)

-その他機器, 治療機器

Copyright© 臨床工学技士の ななめ読み ななめ書き , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.